空挺ドラゴンズに登場する「クオーン風釜煮シチュー(グヤーシュ)」に合うワインをご紹介します
今回セレクトしたのは、オーストリアの赤ワイン「ブラウフレンキッシュ]
なぜのそのワインが合わせるのか、料理のルーツをたどりながらソムリエ視点で解説していきます
空挺ドラゴンズとは 舞台背景
空挺ドラゴンズとは龍と呼ばれる生物が棲息する世界で、龍を狩って生計を立てる「龍捕り」たちを描いたファンタジーです
物語の主人公たちは、飛行船に乗って捕獲した龍を加工して売りさばくことを生業としています
龍は「宝の山」と呼ばれ、一頭捕獲するだけでかなりのお金になるようです
捕獲した龍は食肉や油はもちろん、内臓を薬の原料にしたり骨や筋を工芸品にしたりと余すことなく使うことができます
劇中では龍のお肉をつかった料理が印象的に描かています
クオーン風釜煮シチュー(グヤーシュ)公式レシピ
単行本の挿絵、およびアフタヌーンサイトには公式のレシピが記載されています
2人分とありますが、劇中では大鍋を使って一気に大人数で食べれる量を作っています
材料(2人分)
牛肉(「龍肉」の代用):200g
玉ねぎ(大):1個
ニンニク:1片
ニンジン:1本
トマト:1個
パプリカ:1個
ジャガイモ:300g
セロリの葉:1本分
牛脂(「龍脂」の代用):50g
ベーコン(お好みで):50g
キャラウェイシード(無ければクミン)大さじ:1/2
塩小さじ:1~2
粉パプリカ:大さじ2~3
作品では龍の肉が使われていますがレシピでは牛肉を代わりに使ってますね
むしろ、色んな種類を入れるのがクオーン風とのことなので、何のお肉を使ってもよいでしょう
作り方
1
アフタヌーンサイト
牛肉を一口大に切る。玉ねぎとニンニクをみじん切りにし、ニンジン・トマト・パプリカ・ジャガイモは1㎝程の角切りにする。
2
セロリの葉は紐でぐるぐるに縛っておく。
3
鍋に牛脂を溶かし、玉ねぎを黄金色になるまで炒めたら(好みでベーコンも)、キャラウェイシードとニンニクを加え軽く炒める。
4
牛肉と塩を入れ、粉パプリカをたっぷりふりかけて肉を覆い、蓋をする。
5
肉にある程度火が通ったら、ジャガイモ・ニンジン以外の野菜を全て入れ、ひたひたになるくらい水を入れ、2時間程煮る。
6
ジャガイモとニンジンを鍋に加え、柔らかくなるまで煮込んだら、セロリの葉を取り出して完成。
作品ではまかないとして、龍のカツレツと一緒に食べられています
米とも合うようなので、日本のハヤシライスをイメージさせますね
ちなみにカツレツに合うワインはこちら
グヤーシュとはハンガリー風スープ
「クオーン風釜煮シチュー(グヤーシュ)」とありますが、このグヤーシュとはいったいなんなんでしょう?
「グヤーシュ」はハンガリー発祥の煮込み料理のことで、オーストリアやドイツなどでは「グーラッシュ」とも呼ばれ郷土料理として愛されています
日本語に訳すと「牛飼い汁」だよ
牛飼いが農作業の途中でも食べれるように、外で大釜を使って作った料理が始まりとされています
主に牛肉やパプリカ、ジャガイモなどを使いますが、その場にある食材で作るので、地域によっても作り方は違ってきます
劇中ではそんな細かな様子も描かれていますね
作業中に大きな釜を用意して大人数で食べる、まさに炊き出し料理の典型といえるでしょう
「同じ釜の飯を食う仲間」をこの料理がうまく演出していて、流石だなと思わされます
合わせるワインはオーストリア伝統の赤ワイン「ブラウフレンキッシュ」
ハンガリーやオーストリア周辺の郷土料理に影響を受けたであろう「クオーン釜煮シチュー(グヤーシュ)」
この料理にお勧めするのがオーストリア伝統の赤ワイン「ブラウフレンキッシュ」
ブラウフレンキッシュはオーストリアのブドウ品種の名前です
お隣のハンガリーではケークフランコシュと呼ばれているよ
フランク王国のお墨付きのブドウということで、「フランク王国の青いブドウ」を意味します
その名の通り青みを帯びた黒い色調があり、ブラックベリーやチェリーようなアロマを感じます
やさしいスパイスの香りを持っているので、パプリカやスパイスの効いたグヤーシュと良く合いますよ
しっかりとしたタンニンがあるので、程よく熟成させたものであれば、野菜と龍肉で煮込まれたスープの旨味を受け止めてくれるでしょう
まとめ
空挺ドラゴンズに登場する「クオーン風釜煮シチュー (グヤーシュ)」にオーストリア伝統の赤ワイン「ブラウフレンキッシュ」をセレクトしました
劇中では龍のカツレツと一緒に食べられていますが、ブラウフレンキッシュならどちらの料理にも問題なく合わせることができるでしょう
ハンガリーのケークフランコシュがあれば同じ品種なので飲み比べても面白いかと思います
ちなみに、カツレツはオーストリアのウィンナー・シュニッツェル(ウイーン風カツレツ)がモデルにになっているかと思います
ハンガリーのグヤーシュとオーストリアのカツレツをまとめて食べるという何とも言えない、作者のこだわりを感じますね
かつてオーストリア=ハンガリー帝国という一つの国があったということを考えると、なんだかワクワクしてきます
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