「茄子 アンダルシアの夏」のラストシーン
劇中主人公ペペが赤ワインを片手に「こうして食べるんだよ」と、大きな口をあけて指で摘んだ茄子の酢漬けを口に放り込む
ナスからしたたるマリネ液が食欲をそそります
地元民から「茄子のアサディジョ漬け、そしてワイン!これは法律だ」とまで言わしめる
茄子のアサディジョ漬け合うワインをソムリエ視点で考えていきます
今回セレクトしたのスペインを代表する赤ワインテンプラニーリョです
舞台背景
舞台はスペインのアンダルシア州
スペインの南に位置するアンダルシア州は、闘牛、フラメンコの発祥の地でシェリーというワインでも有名な場所です
夏は乾燥して雨はあまり降らず、眩しい太陽が出ている事が多いのでまさに情熱の国スペインのイメージがピタリとハマる地域でしょう
かつてはイスラム教に占領されていた経緯もあり、アラビアのエキゾチックな雰囲気が漂うところでもあります
劇中では世界3大自転車レースの一つ「ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a España)」を通して主な物語が描かれていきます
茄子のアサディジョ漬け
主人公ぺぺの劇中での「ホテルが出したんだろ?地元の名物だから」というセリフから、アンダルシアの郷土料理と思われますが
実際にはアンダルシア地方にこのような郷土料理は存在しないようです
原作者もそれは認めているようで
ラ・マンチャ地方のアルマグロの町に伝わる茄子の漬け物が近い物であるという事です
ちなみに「茄子のアサディジョ漬け」のレシピは原作『茄子』第1巻巻末に記されており
1・ヘタも実も緑色で赤ちゃんの握りこぶし位のご当地スペインの茄子を使う
2・外の硬いヘタを取り内側のやわらかいヘタは残す
3・切れ目を入れて2分茹でる
4・冷水で洗って中まで冷やす
5・アサディジョ(乾燥赤ピーマン、潰しニンニク、潰しウイキョウの実、カミンシード、パプリカ、鷹の爪、オリーブ油 これらをこねたもの)を切れ目に挟んでウイキョウの枝で刺す
6・それを壺につめ、隙間にもアサディジョを詰め、水、酢、塩を加え、オリーブ油で表面をおおう
7・密閉して数日後に食べる
引用元:『茄子 第1巻』(黒田硫黄)
とあります
どうやらアサディジョ漬けとは茄子をクミンやウイキョウなどのハーブや、スパイスと一緒にワインビネガーを使って漬け込んだスペインの漬物だという事でしょう
劇中エルナンデスのバルでは、キッチンに置いて保管していたので、ある程度の日持ちもするのかと思われます
アンダルシアは暑い地域なのですが乾燥地帯なので日陰や夜は比較的涼しいようです
合わせるワイン
パプリカやニンニクスパイスで漬け込まれたこのナスの漬物
暑い夏にはぴったりの漬け物なんでしょう
「近所に引っ越してきた外国人どもに作法を教えなければいけない」
というセリフからもあるように地元のワインを合わせるのが掟のようです
アンダルシアの名物ワインといえばシェリーなんですが劇中では赤ワインを片手に手でつまんで食べられています
ここでは劇中の掟に従って
スペインを代表する赤ワインである テンプラニーリョをお勧めします
テンプラニーリョはスペイン国内で最も栽培されている赤ワイン用のぶどう品種で
「スペインのカベルネ・ソーヴィニヨン種」と呼ばれるほどポピュラーで重要な品種です
スペイン中で育てられ栽培面積が広いので
果実味を前面に出したも飲みやすいものから、オーク樽で熟成させたフルボディタイプまで様々なスタイルのワインが作られます
味わいはプラムや甘い果実などの香りがあり華やかで、酸味は控えめですね
コンビニやスーパーにも安くて美味しいスペインのテンプラリーニョは置いてあるので比較的、手に入り安いかと思います
安くて美味しいものを見つけたら、遠慮なくグビグビと飲みましょう
茄子のアサディジョ漬けに合わせるとスパイスの香りと赤ワインが相まってエキゾチックな味わいになりますよ
まとめ
「茄子 アンダルシアの夏」の劇中に登場する茄子のアサディジョ漬けに
スペイン代表の赤ワイン テンプラリーニョをセレクトしました
自転車レースのブエルタ・ア・エスパーニャが開催されるのは8月から9月にかけてで、アンダルシア地方の夏場の気温は40度近くまで上がります
夏の暑い日下がりに親しい友人とで赤ワインと茄子の漬物を食べる
食欲が湧いてきて夏バテ防止にも良さそうですね
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