空挺ドラゴンズに登場する料理を単行本順でまとめました。
料理の解説と共にソムリエ視点でおすすめのワインも紹介しています。
できるだけワインを合わせてますが、それ以外のお酒も紹介しています。
ワインと料理の相性など、詳しい内容は各巻ごとのリンクをご覧ください。
目次をクリックして頂ければ各料理の説明にショートカットできます。
1巻
龍肉を味わうための一番シンプルな料理である、ステーキサンドから始まり、東西ヨーロッパ付近の影響を受けた料理が登場します。
コックのヨシのルーツはイタリア料理でしょうか?
龍の尾身ステーキサンド
ワイルドな龍肉を使ったステーキサンドにおススメなのが、 イタリアのトスカーナ州で作られる赤ワイン「キャンティ」です!
酸のみずみずしいワインなのでどんな食事とも合わせやすく、生き生きとした酸が肉の脂分を洗い流しながら、柔らかな余韻を残してくれます。
作中の後半に登場するシンプルなステーキであれば、格上の「 キャンティ・クラシコ 」もお勧めです!
極小龍の悪魔風
この料理のモデルになっているのが、イタリアのトスカーナ生まれの鶏料ポッロ・アッラ・ディアボロです。
丸ごと1羽の鶏を使いジューシーに焼いた姿がマントを広げた悪魔の顔に見えるとかいうのが悪魔風の由来だといわれています。
おすすめはトスカーナ州の白ワイン、「ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ」です。
このワインにはフルーツの甘さが詰まったような香りがあり、後味には炒ったアーモンドのような香ばしさが残ります。
表面をパリっと焼き上げた肉の香ばしさをさらに引き立ててくれますよ。
龍のプレステリーヌ
酢漬けのキャベツやコンフィといったフランスやドイツでよく食べられる食材のテリーヌ。
この料理にはフランスのアルザス地方の「ゲヴュルツトラミネール」がおすすめです。
ゲヴュルツトラミネールはスパイスの意味
本場のシュークルートやザワークラウトは、クミンなどのスパイスを加え、香り豊かに仕上げることが多いので、ゲヴェルツトラミネールのスパイシーな香りと互角に並び立ってお互いの存在感を際立たせるでしょう
龍のサーロと黒パン
サーロはウクライナでよく食べられる、豚の脂身の塩漬。
劇中では古くなった塩漬け肉をオークをつかって燻製にしていますね。
黒パンにのせて食べるのも定番の食べ方。
栄養価が高いので見張用の携帯食ぴったりなんです。
ロシアではウォッカと合わることが多いようですが、辛口の赤ワインも良く合います。
最近ではロシアで作られたワインも日本に入ってきてるので、試してみても面白いと思います。
龍の赤肉の海賊風パストラマ
パストラマとは元々ルーマニアの郷土料理で羊肉に塩や香辛料をすり込んで燻煙した保存食。
その古より伝わるパストラマにおすすめしたいのがジョージアの「オレンジワイン」です。
最大の特徴はクヴェヴリと呼ばれる壺でワイン醸造を行うことです。
白ブドウを赤ワインのように果皮や種と共にクヴェヴリのなかで発酵するので、褐色がかったオレンジ色のワインなるんですね。
果皮や種から抽出される紅茶のようなタンニン(渋み)がありアプリコットやスパイスなどの独特の香りを感じます。
そのためスパイスをきかせた羊肉などの料理にもよく合いますよ。
2巻
舞台はクオーン市が中心になり、東ヨーロッパ付近の料理が登場します。
屋台の料理や野外での食事が中心ですね。
龍肉のラグマン
ラグマンは中央アジア全域で広く食べられている手延べ麺。
日本のラーメンの遠いご先祖でもあります。
ウズベキスタンをはじめアジア諸国に伝わる郷土料理で様々なヴァリエーションがあります。たっぷりのハーブとスパイスがあとを引くウマさ。
トマトやハーブを使うことも多く、劇中では砕いた落花生をたっぷり入れて食べられてますね。
羊肉やスパイスを使っているものには、パストラマに続いてこちらもジョージアの「オレンジワイン」が合わせやすいでしょう。
ぶどう飴
屋台で売られているぶどう飴
龍のカツレツ
この料理のモデルになっているのが
・オーストリアのウィンナー・シュニッツェル(ウイーン風カツレツ)
・イタリアのコトレッタ アッラ ミネラーゼ(ミラノ風カツレツ)
どちらもほとんど同じ料理で仔牛肉を使うことが多いですね。
おすすめはオーストリアの白ワイン「グリューナー・ヴェルトリーナー 」。
水のようにぐいぐいと飲めると同時に凝縮感があるので、食事に合わせやすいワインとして人気があります。
本場オーストリアでは鉄板の組み合わせなんですよ。
クオーン風釜煮シチュー(グヤーシュ)
「グヤーシュ」はハンガリー発祥の煮込み料理のことで、オーストリアやドイツなどでは「グーラッシュ」とも呼ばれ郷土料理として愛されています
牛飼いが農作業の途中でも食べれるように、外で作った大釜の料理が始まりとされているんです。
この料理にお勧めするのがオーストリア伝統の赤ワイン「ブラウフレンキッシュ」
やさしいスパイスの香りを持っているので、パプリカやスパイスの効いたグヤーシュと良く合いますよ
ハンガリーには「ケークフランコシュ」という同じ品種のワインがあるので、飲み比べても面白いかと思います。
3巻
船内で干された干し肉や、脳や髄を使った料理など龍肉の色々な部位の活用法が描かれています。
龍油でマヨネーズを作るなど余すことなく使われますね。
レシピは有りませんが、作中にはケバブやマンサムなどのトルコや中東あたりで食べられている食事が登場しますね。
龍の干し肉
洗濯物のように甲板に吊るされた干し肉。
完成まで時間はかかるが空の旅にはもってこいとのことです。
カビなどが生えた場合は度数の高い酒で拭き取れば問題ないようです。
眠れない夜にそのまま炙って「マール」や「グラッパ」などの、ブドウの搾りかすで作った度数の強いお酒でチビチビとやるのがよいですね。
スープに入れても美味ししようです。
塩漬けキャベツと龍脳の猟師鍋と龍の骨髄焼き
龍の頭から取り出した龍脳で作った鍋料理。キノコなど山の幸を入れるのが猟師風の所以です。
そのお味は、「ねっとりかつ滑らかで濃厚な旨み」とのこと。
龍の骨髄焼きは体の弱った病人でも食べやすい栄養食。
トマトや塩漬けキャベツも入った濃厚な鍋料理にはフルボディの濃い目の白ワインがおすすめです。
オーク樽で醸したアメリカの「シャルドネ」がよく合うでしょう。
龍油の全卵マヨネーズ
龍の油で作ったマヨネーズ。
うずらの卵が使われているが、代わりに豆乳を使っても美味しいようです。
4巻
船内で食べられる日常風景と共に龍肉から抽出したゼラチンを使ったデザートなどが登場します。
限りある食材をうまく使う料理人としての腕が垣間見えますね。
賄いチーズバーガー
解体で出たくず肉を集めて作ったパテをハンバーガーにしたもの。
一口で龍を丸ごと味わえる。
劇中ではニコが藁で包まれた大きなボトルで流し込んでます。
これはイタリアのトスカーナ地方で作られる「キャンティの藁ボトルでフィアスコ」と呼ばれています。
みずみずし酸を持ったキャンティはチーズバーガーにもよく合います!
チーズはケチらない方が美味しいくなるようです!
龍の立羽ゼラチンのパンナコッタ
龍の立羽から取れたゼラチンで作ったパンナコッタ。
パンナコッタはイタリア発祥のデザートで、生クリームや牛乳、砂糖などを熱し、ゼラチンで固めたものです。
パンナ(Panna)はイタリア語で「生クリーム」
コッタ(cotta)は「火を通した」を意味してます。
酪農が盛んな、北イタリアのピエモンテ州で発祥したという説が有力ですね。
おススメはピエモンテ州で作られる甘口の発砲ワイン「モスカートダスティ」です。
甘口のスパークリングワインなのでデザートと一緒に飲んでも良く合うんです。
甘酸っぱい木苺のソースとも相性ばっちり。
5巻
日本の味噌を使った鍋料理が登場、どうやらコックのヨシさんはイタリア料理と日本料理をルーツに持っているようです。
スペインのタパスなども登場します。
船喰い龍の尋腸のもつ鍋
龍肉を味噌で味付けしたモツ煮込み。
昆布や味噌、干したポルチーニ茸などで出汁をとった鍋料理ですね。
野菜の切れ端で作ったであろうベジブロスを出汁に使うのも、食材を無駄にしないヨシさんらしさが出ています。
こういう料理に捕龍船のコックとしての腕が表れてますね。
料理人のヨシは貧乏料理と謙遜しているが、仲間と一仕事終えた後の鍋料理というのはホッとするものです。
最後は残ったスープと麺で締めます。
おすすめは日本の「甲州」ですね。
柑橘系の香りにほど良い甘みと酸味があるので、ワインがポン酢の代わりになり、すっきりと鍋料理を味わうことができます。
龍肉の熟成生ハム詰めマッシュルームのグリル
マッシュルームに詰め物をしたこの料理にも実はきちんとしたモデルがあります。
それが、スペインのセゴビア発祥といわれるマッシュルームのセゴビア風。
セゴビアや近くの都市マドリードのバルで出される定番のタパスの一つとして愛されています。
この料理におススメなのが、スペインを代表する赤ワイン「テンプラニーリョ」です。
色んなスタイルがありますが、酸味が程良くあり、タンニンは柔らかいながらしっかりあるものが多いですね。
全体的なバランスが良く、なじみやすい味わいといえます。
龍の赤肉のタルタルステーキ
ミカが初めて仕留めた龍のくず肉をクジョーが調理したタルタルステーキ。
生肉を使うので鮮度が命になり、命を張った龍捕りだけに許される味。
ミカ曰くクジョーが作ったタルタルステーキは毎回味が違うが、いつも美味かったとのこと。
おススメのワインはイタリアのヴェネト州で作られる赤ワイン「ヴァルポリチェッラ」
この地域は馬肉を食べる文化があり、新鮮な赤身肉を使ったタルタルステーキも食べられます。
ほんのりと香る鉄分の香りがタルタルステーキと良く合いますよ。
フルボディのものがお好みの方は、同じブドウ品種で作られる「アマローネ」もおすすめ!
アマローネはブドウを陰干しして糖度を高めて作られるので、凝縮感のある赤ワインに仕上がるんです。イタリアワインの王様とも呼ばれていますよ。
6巻
赤み肉ではなく、タコやイカのような食感の龍肉も登場。ミカの作る料理はどことなく素朴な料理が多いですね。
クラーケンの触手のカルパッチョ
まるでタコやイカような食感のクラーケンのカルパッチョ。
ヨーロッパでは悪魔と恐れられているタコですが、南イタリアではタコのカルパッチョがよく食べられるんです。
この料理におススメなのが、南イタリアのカンパーニャ州で作られる「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」。
きりっとしたミネラル感にほんのりと、ハチミツのような香りが漂います。
龍の赤肉のキャセロールマッシュポテト添え・龍肉のミートローフ・ミカのタルタルステーキ
ミカが怪我をしたクジョーのために見舞いがわりに作った料理。
キャセロールはお見舞い品としては定番の一品のようですね。
ミートローフは、基本的には切り分けて食べるので、おもてなしに作られる料理。
ミカのタルタルステーキは瓶詰めオリーブやケッパー、ヨシさんのトマトケチャップなどが入っており、クジョーのレシピとは若干の違いがあります。
船内でヨシさんに手伝ってもらったのかもしれないですね。
おすすめはフランスのボルドーで作られる赤ワイン「シャトー ベイシュヴェル」
ラベルに描かれている大きな帆船は船乗りであるクジョーの門出を祝うのにぴったりです。もちろん料理にも良く合いますよ。
7巻
船内での些細な日常風景や女子会料理が登場します。
舞台はマユーロに移り台湾料理に近いものが中心になります。
全体的に中華風の味付けのマユーロの料理。ここは素直にワインではなく白酒や紹興酒を合わせても良いでしょう。
龍肉のクバーノサンド
「クバーノ」とはスペイン語で「Cubano」と綴り、「キューバの」といった意味になります。
元々はキューバ人労働者のコミニティーで食べられていたんですが、キューバからの移住者たちがマイアミに持ちこんだことで発展し、その人気に火が付きました。
おすすめは、「カリモーチョ」です!
カリモーチョはいわゆる“赤ワインのコーラ割り”で、ワインを使ったカクテルの一つです。
カリモーチョに使うワインに決まりはありませんが、基本は赤ワインが使われます。
チリやアルゼンチン、といったスペインの影響を受けた安くて美味しいワインを使うのがおススメですね!
龍肉のローストミートケーキ
女性乗組員の誕生日を祝うために特別に用意された一品。
ケーキに仕立てられたローストミートが女子会に花を添えますね。
劇中ではフルートグラスに注がれた赤ワインのようなお酒が描かれていますね。
そこでおすすめなのが、イタリアの赤いスパークリングワイン「ランブルスコ」です!
甘口dolceと辛口seccoがありますのでお好みで選ぶとよいでしょう。
もっとエレガントに楽しみたいという方は「ロゼのシャンパーニュ」もいいですね。
シャンパーニュは品質も高く、どんな料理にも合わせやすいので記念日にピッタリです!
胡椒餅
胡椒餅(コショウモチ)」は、台湾の屋台で大人気のストリートフード。
コショウを効かせた肉ダネを生地で包み窯で焼いたもので、夜市や観光地の露店などで気軽に味わえるB級グルメの一つです。
ころんと丸く見た目はまるで焼饅頭のようですね。
中国福建省の福州からの移民によって持ち込まれた郷土料理が起源で台湾の商店では「福州胡椒餅」と呼ばれるようです。
龍肉のタレ
龍の赤肉をタレに漬け込んで天日干しにしたもの。
直火であぶって食べると美味しい。
料理ができるまで炙りながら、白酒に大葉と唐辛子を入れてお湯で割った赤龍(チーロン)と合わせるのが流儀のようです。
龍水晶
立羽から取れる軟骨のなます。
龍の軟骨をスライスして砂糖やみりん、柑橘類などと漬け込み香り付けした料理。
半透明の軟骨を千切りにした形が水晶のように見えることから名づけられたようです。
よく似た料理に、サメの軟骨を梅肉を使ってさっぱりと仕上げる「軟骨の梅水晶」がありますね。
骨ハギ煮込み
骨ごと茹でて肉を削ぎ取ってさらに煮込んだもの。
一般的に骨ハギと呼ばれるのは、クジラのあばら骨についた肉を削げとったもののことです。
うま味成分が多く独特のくせがあるので、濃い目の味付けの煮込み料理にすると美味しい部位のようです。
ウーロン茶を使って煮込んでいるのは、クセのあるお肉を食べやすくするためでしょう。
ソーセージ
龍の肉や内臓を豚の腸に詰めた香腸。
中国の代表的なスパイス「五香紛」を使ったソーセージです。
五香紛は中国の代表的な混合スパイスで、スターアニスやクローブ、花椒など5種類のスパイスをブレンドしたものなので、これは中華風のソーセージといったところでしょう。
8巻
険しい岩山の天山での龍獲りにはささっと食べられる料理が中心。鯨を思わせる龍肉も登場しますね。
龍の石焼ステーキ
石をかまど代わりにして焼いた石焼ステーキです。
石の上で焼くと、遠赤外線効果でお肉が縮まず、ふっくらと焼き上がるんです。
肉質と調理法のおかげか、塩がなくてもふっくらとして美味しいとのことです。
石は一度温めると冷めにくい特徴もありますので、冷えた身体をあたためることもできますね。
まさにサバイバル料理です。
龍の角煮のパオサンド
「パオ」は中国語で「包む」という意味。
パオサンドは中華料理の「饅頭(マントウ)」の生地で豚角煮を挟んだ料理の名称としても使われます。
饅頭の生地を使用しているので、ほんのりと甘い皮が特徴的ですね。
台湾では屋台などで手軽に食べられる軽食の代表格です。
八角の効いた豚の角煮にはスパイシーな辛口の南フランスの「ロゼワイン」が良く合います。
中華特有の香りにマッチし、脂っぽさも程よくさっぱりさせてくれるでしょう。
「片手で食べれるから忙しい時に持ってこい」の料理でもあります。
天山龍の脂刺し シーズニングソルトで
「シーズニング・ソルト」は調味塩のことで、お塩をベースにハーブやスパイスをブレンドした「ブレンドソルト」とのことです。
何にかけても美味しい万能調味料ですね。
脂の刺身ということなので、肉質は「くじらの本皮」のようなものでしょう。
くじらの本皮はくじらの表皮とその下にある皮下脂肪のこと。
コリコリとした歯応えで、噛めば噛むほどまろやかな甘みが出る珍味の一つです。
コミックスでは「目が覚めるほどのおいしさ」と表現されています。
9巻
激闘の後には幻の龍料理が待っています。
ヴァナヴェルの故郷アレーナのレモンを使ったお菓子が出てきます。
天山涮龍肉
マユーロに伝わる究極にして幻の料理。
「その肉質はきめ細やかで柔らかく、肉味は濃く脂は甘くとろけるよう
まさに天にも昇る至高の一品」とされています。
天山龍の肉を使った極上のしゃぶしゃぶ料理で、ニラミント醤につけて食べられるのが特徴です。
この醤はニラやミントにナンプラーなど混ぜたものを発酵させて作られたもの。
おそらくベトナムやラオスと隣接している中国の雲南省の料理にヒントを得て作られたものであろうかと思われます。
ニラとミントは炒め物にしても美味しいですね。
レモンパイ
ヴァナベルの故郷アレーナの特産品であるレモンを使ったパイ。
レモンパイの起源は古代ギリシャと考えられていますが、メレンゲをのせた形は19世紀のイギリスで完成したようです。
白と黄色のコントラストがキュートですね!
意外と白ワインも合いますよ。オススメはギリシャの白ワイン
10巻
料理対決ではやはりヨシのルーツと思われる日本料理も登場。モロッコやギリシャなど様々な国の料理が描かれていますね。
龍の尾の身のロティ・アン・クルート
フランス語で「ロティ・アン・クルート」は「ロースト肉のパイ包み」。
イギリスには「ビーフ・ウェリントン」と呼ばれる同じ料理があります。
この料理におススメなのが、イギリスとフランスの架け橋となる「ボルドーワイン」です。
ボルドーの赤ワインはタンニンと酸のバランスがよく、しっかりとしたコクもあるのでのパイで包んだロースト肉との相性は抜群です。
さっくりとしたパイで包まれたジューシーなお肉を、力強いボルドーワインがさらに引き立ててくれますよ!
龍の尾の身の唐揚げ
日本の食卓ではおなじみの唐揚げ。
日本には江戸時代頃に中国から伝わってきたようです。
中国の『唐』からきたので『唐』を使って【唐揚げ】というわけですね。
また伝わった当初は、衣を付けずにそのまま揚げていたようで、「空揚げ」ともよんでいたようです。
ヨシさんのレシピはレモンピールを効かせてさっぱりと仕上げているのが特徴ですね。
揚げる温度とタイミングが大事!
龍肉のカレータジン
タジンは鍋の名前であり、料理名でもあります。
北アフリカのモロッコに伝わる料理で、とんがり帽子のような形の鍋に食材を入れて、食材そのものの水分で蒸し煮にします。
旬の食材を豊富に使い、スパイスを効かせるのも特徴。
多めの油と材料を入れてふたをし、火にかけると、食材から立ち上る湯気が水蒸気となって、先端部分に届きます。
円錐形のふたをすることによって、水蒸気がポタポタ垂れて水がいらないというわけですね。
水が貴重だった砂漠の民が生み出した無水調理の元祖といえるでしょう。
劇中ではカレー粉を使って仕上げていますね。
パンに鍋の油を吸わせて食べると絶品のようです。
龍肉のレモナート
この料理のモデルになっているのが、ギリシャの「モスハリ・レモナート」。
ギリシャはレモンを料理にたくさん使うんです。
そこでおススメするのがギリシャの赤ワイン「ネメア」です!
このワインは通称「ヘラクレスの血」とも呼ばれています。
ヘラクレスが神話にある「ネメアの獅子」と戦った時に流した血が、ワインになったと伝えられてるんですね。
鶏肉などの白身肉を使った場合は、レモンのさっぱり感も際立ってきますので白ワインもおススメですね。
ギリシャの白ワインはミネラル感が強く、酸がしっかりしているものが多いので、必然的にオリーブオイルやレモンを使った料理に合うんです!
ワイン自体にレモンやミントのニュアンスがありますよ。
11巻
激闘の後にはペルーに伝わる砂蒸し焼きと思われる料理が登場します。
塩漬け肉や豆といった保存食材を使った料理は物語に説得力を持たせますね。
龍の塊肉と野菜の砂蒸し焼き
ミカがウラ爺から教わった千剖士の伝統的な料理。
塊の肉をゆっくりと蒸し焼きにすることで、柔らかくホロホロに仕上がります。
同じような調理法には、ペルー に伝わるインカの聖なる料理「パチャマンカ」があります。
「パチャ」は“大地”、「マンカ」は“鍋”を意味しており、大地そのものを鍋とする調理法です。
地面を掘ったその中に、じゃがいもなどの根菜や肉などを入れて、熱した石と土で食材を覆います。
焼いた石の余熱で調理しますので、熱しても割れにくい石を使うのがポイントですね。
大量の食材を一度に調理できるのでお祭りなどのハレの日の祝宴として催さることが多いようです。
龍肉のプティ・サレとレンズ豆の煮込み
プティ・サレはフランスで食べれる豚バラ肉の塩漬けですね。
昔は冷蔵庫などがなかったので、塩漬けにして保存性を高めていたんですね。
寒い冬に野菜やレンズ豆と共に煮込んで食べるのが定番のたべかたです。
レンズ豆は栄養価が高く、豆を一晩水に浸けなくても軟らかくなるので煮込料理にむいてるんですね。
オーヴェルニュ地方の「ル・ピュイの産レンズ豆」は質が良いことで有名です。
味付けは肉の塩気のみですが、優しく煮込まれたレンズ豆に塩漬け肉の旨味がしみ渡り、肉はしっとり、豆はほっこりと仕上がります。
フランスのお母さんが作る素朴な家庭料理といったところですね。
塩漬け肉もレンズ豆も保存性がよいので、捕龍船で食べるのにもってこいの料理といえるでしょう。
小説
原作漫画の世界観を見事に描きだした小説。
個人的には作中に登場するジャガイモのローズマリーはよくワインと合わせて食べている一品です。
カマンベールチーズのオイル漬け
龍のレバー団子スープ
龍肉のクミン炒め
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