空挺ドラゴンズに登場する「極小龍の悪魔風に合うワイン」
この料理に合うワインをソムリエ視点でご紹介します
今回セレクトしたのは 、 「 ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ 」
その理由を劇中の料理のルーツをたどりながら解説していきます
空挺ドラゴンズとは 舞台背景
空挺ドラゴンズとは龍と呼ばれる生物が棲息する世界で、龍を狩って生計を立てる「龍捕り」たちを描いたファンタジーです
物語の主人公たちは、飛行船に乗って捕獲した龍を加工して売りさばくことを生業としています
龍は「宝の山」と呼ばれ、一頭捕獲するだけでかなりのお金になるようです
捕獲した龍は食肉や油はもちろん、内臓を薬の原料にしたり骨や筋を工芸品にしたりと余すことなく使うことができます
劇中では龍のお肉をつかった料理が印象的に描かています
極小龍の悪魔風
劇中では通常は巨大な龍を捕獲してその肉を調理することが多いのですが、この料理に使われているのは鳥くらいのサイズの極小龍です
それもそのはず、この料理のモデルになっているのが
ポッロ・アッラ・ディアボロ(Polla alla diavola)という料理なんです
ポッロ(Polla) は鶏
アッラ・ディアボロ(alla diavola)は悪魔風という意味があり、「鶏の悪魔焼き」「鶏の悪魔風」「悪魔風チキン」などと呼ばれます
丸ごと1羽の鶏を使い、皮をぱりっと香ばしく中はジューシーに焼いた、トスカーナ生まれの鶏料理なんです
突き出た手羽や脚がマントを広げた悪魔の姿のようだとか、悪魔の顔に見えるとかいうのが悪魔風の由来だといわれています
外側にマスタードやペッパーを塗りつけて焼くこともあるので、その辛味を悪魔風という説もありますね
いずれにせよイタリア料理で鶏に関して「all adiavola」という場合には、単に炭やグリル板、フライパンなどで表面をカリッと焼き上げて火を通した鶏を指ことが多いようです
作り方はシンプルで
・オリーブオイル
・レモン
・塩、胡椒
・ローズマリーなどのハーブ
これらの材料を加えたマリネ液にお肉を浸け置きした後、揚げ焼きするだけです
劇中では仕上げに水の入った鍋で重しをするといった調理過程もしっかりえがかれていますね
身の回りにあるものでできる素朴な郷土料理といえるでしょう
合わせるワインはイタリアのトスカーナ州で作られる白ワイン
この料理に合わせるワインとしておすすめしたいのが ポッロ・アッラ・ディアボロ(Polla alla diavola)がうまれたイタリアのトスカーナ州で作られる白ワイン
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ(Vernaccia di San Gimignano)です
ヴェルナッチャはトスカーナ州で作られるブドウの名前
サン・ジミニャーノはトスカーナ州のシエナやフィレンツェ近郊のサン・ジミニャーノ地区のことです
キアンティなどの赤ワインが有名なトスカーナ州において、唯一白で最高格付のDOCGワインになります
サンジミニャーノは塔の街として有名で世界遺産に認定されているよ
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノは熟成させた、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノリゼルヴァもあり、熟成して年月を経ると黄金色に輝くようになります
リゼルヴァの方が熟成させた分だけ酸味はまろやかになり、味わいや香りは複雑身を帯びてきます
リゼルヴァは熟成という意味
このワインにはフルーツの甘さが詰まったような香りがあり、後味には炒ったアーモンドのような香ばしさが残ります
表面をパリっと焼き上げた肉の香ばしさを炒った木の実の香りが引き立てるでしょう
ワインの後味にあるかすかな苦みは、シンプルに味付けされた肉の味わいを際立たせます
しっかりとしたボディをもつ白ワインなので、肉の旨味をしっかりと受け止めながら、柔らかな酸味が口の中を洗い流してくれます
気づいたらいつの間にか次のお肉に手を伸ばしていることでしょう
鳥くらいのサイズの極小龍 の龍肉なので大型のもとはまた違った味わいなのかもしれません、そう考えるとワクワクしますね
まとめ
空挺ドラゴンズに登場する極小龍の悪魔風に合わせるワインとしてイタリアのトスカーナ州で作られる白ワイン
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノをセレクトしてみました
劇中のものは龍の肉を使っていますが、ここでは「鶏の悪魔風」として解釈しています
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノはトスカーナの内陸部にある地域で伝統的に作られる白ワインですので、山の幸との相性がとても良いです
特に熟成させたヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノリゼルヴァはしっかりとした味わいがありお勧めです
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