魔女の宅急便 キキのチョコレートケーキに合うワイン 甘口ポートワイン 

ジブリの料理に合うワイン

「魔女の宅急便」の劇中パイ作りを手伝ってくれたお礼にと、おばあちゃんがキキにチョコレートケーキをプレゼントします

チョコレートでコーティングされた表面には、空を飛ぶキキと黒猫ジジの姿が描かれており愛情が伝わってきます

このキキのチョコレートケーキに合うワインをソムリエ的視点で考えていきます

今回セレクトしたのはポートワイン

チョコレートの歴史やイギリスとの関係を踏まえて理由をたどっていきます

舞台背景

魔女の宅急便の時代設定は

宮崎駿監督曰く

第二次世界大戦を経験しなかったヨーロッパ

白黒テレビが普及し、車(トッポリーノ)やボンネットバスが走り大きな飛行船が使われてることから

1950年代~1960年代頃なのではないかと言われていれています

作品の舞台になったコリコの街はヨーロッパの色々な街を参考に描かれているようで

1 スウェーデン ストックホルム
2 スウェーデン ヴィスビー
3 オーストラリア アデレード
4 ポルトガル リスボン
5 クロアチア ドゥブロヴニク
6 オーストラリア タスマニア

などの海の近くの街が多いようです

コリコの街も水の上に浮いているかのような美しい都市として描かれていて、キキがコリコの町を気に入った理由も『海が見える」というセリフから読み取れます

ちなみに原作では大人になったトンボとキキはなんと結婚します

チョコレートケーキ

最初のチョコレートケーキの記録が残っているのは、18世紀のことだそうです


もともとカカオは原産地の中央アメリカでは飲み物で、ケーキのような食べ物には使われるのはずっと後のことになるんです

 チョコレートの原料になるカカオがヨーロッパにやってきたのは1500年代初頭

大航海時代を迎えていたスペインへまず持ち込まれました

当初スペイン王室は製造法を独占して、1世紀にもわたってその製法を秘密にしていたようです

1600年代前半にイタリア人によりスペイン人が隠していたチョコレートの製造法が発見され、ヨーロッパ各地に広まっていきます

その当時もしばらくは飲み物、飲み薬として利用されていたようです

1700年代になると産業革命によってチョコレートの製造が大規模化したこともあり、さまざまなチョコレート菓子が浸透していきやっとチョコレートケーキが誕生します

今から約300年前になりますね

いわゆるケーキを指す言葉もフランス語では「ガトー」、ドイツ語で「クーヘン」、英語で「ケーク」、イタリア語では「トルテ」といったふうに国によってそれぞれ呼び方が違ってきますが、チョコレートココアパウダーを生地に混ぜて焼くのが基本的な概念になるかと思います

劇中に描かれているチョコレートケーキは表面がツヤっとしているので表面をチョコレートでコーティングしたものなのでしょう

家庭でできるシンプルなチョコレートケーキだったと思います

合わせるワインとマリアージュ

チョコレートは実はお酒との相性が良くブランデーやウイスキー、赤ワインとも違和感なく合わせる事ができます

その中でもお勧めしたいのがポートワインです

ポートワインはチョコレートに合うワインとして古くから定番とされているお酒の一つでポルトガル北部のポルト港から出荷される特産のワインです

ポルトガル語のポルト(Porto)は「」という意味で、英語のポート(Port)と同じなのです

イギリスではポートワインと呼ばれ有名になりました

ルビーや琥珀色をしているその外見から「ポルトガルの宝石」とも称されています

ポートワインと聞くと、赤玉ポートワイン(現:赤玉スイートワイン)を思い浮かべる人もいるかも知れませんね

ポートワインの作り方と特徴

ポートワインの普通のワインと違って、アルコール発酵中のワインにブランデー加えることによって発酵を止め、甘口に仕立てるという独特の製造法で作ります

発酵中に糖分はアルコールに変化しますが、発酵を止めたワインには糖分が残って甘口のワインが出来上がるというわけです

さらに木樽で熟成されることで、モカやバニラのような芳醇な香りがつきます

ポートワインはアルコール度数が高く、一部を除いて19~22度までの間と決められていますので食後酒として楽しまれます

甘口でフルーティーな香りを持つポートワインはチョコレートと合わせるには最高のワインといえます

ポートワインとイギリス

ポルトガルで造られるポートワイン。
その歴史にはイギリスが大きく影響しています

ポートワインは14世紀中頃から生産され、18世紀にはポルト港からイギリスに大量に輸出されていました

17世紀末にイギリスはフランスと戦争をしておりフランスワインを輸入していたイギリスは戦争の相手国ということもあり、フランスワインの輸入禁止しました

イギリスのワイン商たちはフランスワインに代わるものを探しており、注目されたのがポートワインだったというわけです

イギリス人に好まれるワインを追究した結果、アルコールを添加して甘みやコクを出し、現在のポートワインの原型をつくったと言われています

高アルコールにすることで、船でイギリスまで運んでも品質は衰えにくいというのも大きな理由だったかと思います

国内ではその甘口のワインが評判になりその後もイギリス人によってポートワインは愛され続けることとなります

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まとめ

魔女の宅急便の劇中に出てくるキキのチョコレートケーキポルトガルの甘口ワイン、ポートワインをセレクトしました

海の見えるコリコの街港を意味するポートワイン

18世紀初頭の同じ時代に誕生し飛躍したチョコレートケーキポートワインの歴史

その思わぬ繋がりに思いを馳せながら、楽しんでみるのも一興かと思います

大人になったキキとトンボもコリコの街のどこかで、チョコレートケーキに甘口のポートワインを合わせて昔話を懐かしんでいるかも知れないですね

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